ヤッコソウを見たのでツチトリモチを見たくなりました東の岬から徳島県に行けば見られるそうですが、室戸から更に2時間弱の行程になりますので諦めました。
昔は早起きして日和佐迄走ったこともありますが、今はもうそんな馬力はありません。
方向を変えて西の岬まで行けばヤッコソウとツチトリモチが同時に見られるとの情報もあり、1日を費やして行きましたが、足摺半島の自生地はヤッコソウはあるものの、ツチトリモチは見当たりません。
何より樹林下はイノシシが所構わず掘り起こしていて、遊歩道がグチャグチャです。
小一時間も歩くと、靴もズボンの裾も泥だらけになりました。
今にも降り出しそうな空を気にしながら早々に帰って来ました。往復約250キロ走行。
やっぱりツチトリモチを見たいとPCでサーフィンをしていると、5年前の記事を見つけました。
シッカリ地名が載っています。何より近いのがグーです。
よし場所は掴めた。
5年経過しても大丈夫かと思い「
百一草園」の管理人さんに確認しました。
宿主についても尋ねると、ハイノキより同じ種のクロキだろうとのアドバイスも貰いました。
更に現地の近くに実家があるという知人にも地形等の概要を聞きました。
天候の回復を待って出かけました。
目指す山頂は海抜370m程です。その周辺にある筈です。
車を広場に停め傍らを見ると
クロキらしい木があり、花をつけ実も成っています。
クロキなら良い予感です。
昔の作業道がありました。軽自動車は通れそうな幅がありますが、道には手首大の樹木が生えています。やや開けた場所から頂上目指して登っていると、後から「あった!」と声が・・・引き返します。
作業道から20mほど歩いたら呆気なく見つかりました。嬉しい誤算です。
落ち葉の間から頭を出しています。これは花穂だそうです。
初見です。思った以上に綺麗な赤色です。
大きめのヤマモモかイチゴが転がっているかのようです。
並んで生えている物も
親子の様に寄り添っています。
群て生えています。黒い部分は傷んでいます。何かに喰われたのかな?
大きなものは高さ8cm・径は3~4㎝あります。
中央部をトリミングしました。
赤い表面は一面に粒々(小棍体と言うらしい)があります。小棍体の頭頂部は僅かな凹みが見られます。
花はこの小棍体の下にあって外からは見えないそうです。成熟すれば隙間から花柱を出すそうです。
生えている環境を撮っていなかったので、翌日魚眼コンバージョンレンズを持って裏側から登りました。
照葉樹林で木漏れ日の挿し込む地面です。
アレッ 探している人が写っています。
見付けてくれる彼女がいなければ、記事は書けませんね。
ハイノキ科の根に寄生するそうですが、右上に寄生塊が露出しています。
山芋のムカゴみたいです。奥の塊には以前花穂を出した形跡が見えます。
花は晩秋から冬にかけて顔を出すが、この根茎(塊茎)は地下に残り宿主から継続的に養分を吸収しているのでしょう。
この個体の鱗片状の葉は赤いですね。個体差があります。
南向きの斜面の方が、クロキらしき樹木が高密度で生育しており、ツチトリモチもより密生し大きな個体が見られました。
疎林下とはいえ、光量が少なくLEDライトがあった方が鮮明に撮影できます。
分布域は紀伊半島南部・四国南部・九州南部西部・西南諸島など暖地だそうです。
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