約2ヶ月保管していたクスサンの繭から羽化しました。
10月20日 就寝前に何気なく飼育ケースを覗くと、№3の蛹に長い物体がぶら下がっていました。
午後6時ごろ見た時にはまだ羽化していませんでした。
夕方羽化したようです。隣の№1も既に羽化して蛹にぶら下がっています。№2は繭のままです。
繭№3の成虫です。
翅はほとんど伸び切って、固まるのを待っている様です。
やはりクスサン(楠蚕)です。渇色の翅の地色にある眼条紋と2重の波形ラインが目を引きます。
繭や蛹が大きかったので、メスと思っていたのですが、ピンポーン♪です。
触角が短い櫛歯状です。
腹側から見ても
尾端もメスの形状ですし、何より腹回りは丸々として、明らかなメタボですね・・・と言いたい所ですが、この腹の中には無数の卵がギッシリ詰まっていることでしょう。
側面から
堂々たる身体。
№1です。
こちらのクスサンはグッとシックで枯れています。こちらも予想通りメスです。
両者を並べて比較です。
左が№1で右が№3です。前翅長を測ると№1は約70㎜・№3は63㎜でした。
翅の色彩は個体差がありますね。
秋になって木の葉が紅(黄)葉したり、枯れたりなった中にいれば、紛れますね。
№1は振動を与えたりして刺激すると、後翅を腹側に寄せて、前翅から眼状紋を覗かせる動作をします。
№1の眼状紋はフレていたので、下は№3のアップです。
黒い斑紋は上に白い鱗粉があり、下に向かってグラデがかかり、平面なのに立体的な半球状に見えます。
すごい技術です。良い仕事してますね~
抜け殻となった繭は濡れていませんでしたが、触ると褐色の羽化液が流れてきます。
身体が大きいので蛹から脱出時に、殻の中に排泄して、スリムになって繭から出て来たのでしょう。
羽化液は時間が経つと、白く変色し粉の様になってきました。
アングルを変えたり、ライトの位置を変えたりしながら、写していると日付けが変わりました。
両者の腹側です。
すると、ライトを持ってアシストしていた息子が、「右側の腹で何か動いている」と、言います。
残念ながら、私には見えません、トホホ・・・
カメラをズームアップしてモニターで腹を見ます。
モニターに映ったのは・・・・・・ 開き気味の関節の中で緑色した紡錘状の小さな物がユラユラと動いています。
それも複数・・・
見ていると少し広がった関節に、長さ1mm前後の緑の虫?がいるようで蠢いています。
この小さな虫は何だ?疑問は残ります。が、夜も更けてきたので、撮影終了です。
家内が蛾の鱗粉にかぶれる、と嫌がるので、窓の外に出しました。
翌朝、蛾はいませんでした。
№2はまだ羽化していません。
№1と№葉2は(勝手に)
糸で結ばれています。
その糸を切り、羽化する様子を撮ろうとセットしていて、異変に気付きました。
繭が軽いのです。取って来た時の重量感は皆目です。
逆光線で透かして見ると、蛹の中は空洞でした。
繭から出そうと試みましたが、乾燥していて蛹と繭が固着してなかなか外れません。
バラバラになりながらも、何とか取り出しました。
羽化を開始し始めた頃に、力尽きて★になった様です。
眼や縮れた翅は残っていますが、身の部分(体幹)はありません。
恐らく喰われたのでしょう。エイリアンに・・・
そして羽化時に寄生虫が親になって出てきたのでしょう。
その親が、№2と同じ飼育ケース内で隔壁を隔てて羽化を待っていた№1の身体に産卵し、成長過程の蛆が№1の腹の関節に潜んでいたと思います。
恐ろしき ハエイリアン です。
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