羽化に失敗した訳はナガサキアゲハ№1が羽化に失敗したのは、翅が蛹の殻に固着していた事につきますが、それだけか調べてみました。
蛹の抜け殻です。
蛹の抜け殻を一見してもそんなに変わった様には見えません。
左側の翅があった当たりをばらしました。
翅がとても強くくっついていて、殻を破りながら外しました。
上のパーツが翅です。その下二つが翅を覆っていた蛹の殻。
その右が羽化時に最初に外れる頭けら複眼・口吻・前脚・中脚・触覚を覆っている部分。
下の端が蛹の主要部分です。
翅のアップです。
まだ蛹の殻が翅に付いています。周囲の黒い粒々は鱗粉です。
対象物の向きを180度変えて反対側の横から写しました。
白い部分のアップです。
白いのは黒い鱗粉が剥離した 翅のベース(翅膜)です。枯葉の様なのが鱗粉です。
蛹の状態ですので、基部の各ラインが密に並んでいます。
この状態では鱗粉が立錐しています。羽化してちゃんと翅が伸びたら、この間隔が(右上から左下にかけて)広がるでしょう。
一方。頭から脚や口吻が収まっていたパーツの内側です。
驚いた事に左の口吻だけが元から切れて殻の中に残っていました。
薄い膜の中にある黒い筋がそれです。
先端部は裂け目から飛び出して、クルクル丸まっていました。
表側から
成虫の口吻が収納できずにいた訳も、すぐに死んだ訳も説明がつきます。
この子は羽化する時 最初から失敗していたのです。
羽化は身体の形が激変する一大イベントですが。リスクが付き物の様ですね。
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鱗粉のとても綺麗な画像など Linden Gledhill 氏の写真集は こちら
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