いよいよヒオドシチョウの羽化です
GWから4日間かけて全部で16頭が蛹になりました。
いつもより数が少ないし、その割には日にちも分散しています。
4頭の蛹は屋外に残し、10頭の蛹を飼育箱に入れていました。
そのうち屋外の1頭は2日後に尾部を残して何かに喰われました。
5月17日 蛹の様子を見ると、1頭に羽化の前兆が見られました。
この日は須崎市展覧会の搬入日で、家内の写真を持って行く予定をしていました。
帰ってから写そうと大急ぎで戻ってみると、既に羽化していました。
もう翅はほとんど伸びています。暫くして羽ばたき窓の敷居に飛びました。
鮮やかな色彩ですね。
この日の午後の予定をキャンセルして、2頭目以下の羽化を待ちました。
スカでした。(T-T) 大体こんなものです。
枯れ枝に取り付けた蛹です。
左側は接着剤で、中央は尾端を糸で結わえました。右側は以前から残していたセセリチョウの糸座に尾端の鉤爪を絡め、糸座をテープで止めました。
翌18日 朝からひたすらひたすら その瞬間を待ちます。
なかなか羽化しません。
タテハチョウ類の羽化前兆は一般的に把握しにくいです。
それは蛹の殻に色素があり中の変化が窺えない事が一因です。
それでもポイントが幾つかあります。上の写真で変化を示します。
蛹の期間は種や環境などで変わりますが、早い物だと10日~2週間が目安です。
この間に幼虫の身体を全て御破算して、蝶への大改造に要する日数です。
最初は内臓から作り上げて、翅などは最終段階の2日程で作られるようです。
羽化が近付くと突起部の先端の組織が無くなり、体液に置き換わります。
ライトで照らすと透けています。
更に進むと蛹の内壁に空間ができます。成虫の表皮と剥離するからです。(写真②の矢印)
時間の経過と共に剥離は徐々にひろがり、殻の色が白っぽっく見えます。
完全に剥離したら、蛹の殻は単なる成虫の容器と化し、殻の厚さにもよりますが、体節が伸びます。その節はより濃色になります。(③の矢印)
同時に翅の色がかすかに透けて見えます。肉眼ではこの1/3~1/4程度の感じです。
定常光とフラッシュによる違いかと思います。
又は蛹の殻の色が白っぽいので光が拡散される所為かとも思います。(例えば白い網戸と黒い網戸を並べて見比べた景色の様に)
くどくど言っているうちに羽化が始まりました。
真ん中が一番かな?とと思っていたら、右端のが「あっ」と言う間に抜け出ました。
上のフレーミングで撮影したものを、トリミングおよび抽出します。
サナギの体内で分離していた口吻の統合に取りかかっています。
羽化して30秒ほどでこの変化 早いですね。
少しの間目を離したら、左のも羽化していました。
口吻と複眼と退化した前脚(密生した毛に覆われている)歩行や掴まる役目を捨ててでも、
味覚以外のもっと重要な器官に特化しているのかも知れない。
・・・退化と言う表現が適切かどうか疑問です。
背景の赤いのは羽化液の色です。
深度合成でみる複眼と下唇髭
飼育下の10頭は、17日に1頭 18日に5頭 19日に2頭 20日に1頭 羽化しました。
屋外の残りの3頭は18日と19日にそれそれ羽化し、内外の格1頭は羽化できませんでした。
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・・・ 余談 ・・・
2011年5月13日14日に次々と蛹化したヒオドシチョウは、15日に明石の従兄弟に5頭
高知市の知人に6~7頭譲りました。
明石では23日の早朝に全部羽化し、高知では25日の早朝に全て羽化しました。
私の手許に残した10頭、26日に1頭羽化し、翌28日に7頭が相次いで羽化しました。
この日は急遽仕事を休みました。(^_^) 29日に残りの2頭が羽化しました。
より遠くに嫁に出したサナギほど早く羽化した理由は何でしょうかね。謎です。
じぁ~宇宙に持って行ったら????
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