母校から文化祭を開催するので蝶等を出品してと 依頼がありました。
しまい込んでいた、標本箱を取り出してみると、
げにまっこと おおごと おとごと !! 虫に食われちゅうやいか。
こりゃ~ めったよ~ ・°°・(>_<)・°°・。
幾つかある中で、最も古い標本2箱です。クロアゲハはアウトです。(T-T)
もう一つの箱は何とか大丈夫でした。
あれっ、メスグロヒョウモン♀が2頭!? もう1頭はいつ採集したのだろう?
いくら頭を傾げても思い出せません。 なにしろ半世紀も前の事ですから....
回想です。話は56年前(昭和31年)に遡ります。
蝶の採集歴は小学4年生からです。初めて男の先生が担任になりました。
その先生が昆虫採集の手ほどきをして下さいました。
4月下旬 校外学習で裏山に学校の捕虫網を持って出掛けました。
捕虫網は十人程持って行ったのですが、モンシロも舞っていたのに誰も取れませんでした。
そんな中で、私一人だけ茶畑でコミスジをゲットして有頂天になりました。
『僕にはこんな才能があったんだ~』と、自信を持ったのです。^^v
以来病み付きになり、日曜や夏休みには山に行ったり、渓谷に行ったり楽しかったですよ~
夏休みの宿題は充実していましたね~ 我ながら
ところが 昭和32年4月1日夜に学校から出火して、小中学校が全焼しました。(;_;)
ただ、1年半前に新築した別棟の講堂だけが、延焼を免れました。
標本箱と顕微鏡が焼けたのが、私にとって何より悔しく悲しかったです。
それから蝶の自宅保管を始めました。標本箱も大工さんに作って貰いました。
我が家の周囲で蝶が減ったのを感じて、高校生の時から採集をやめました。
ところが私が就職した後も、両親が時々採集をしていたようで、
まち針で止めたのもあります。展翅姿もまあまあですが ^^
このままでは出品に耐えないので、標本を一つの箱に集めていると、
今までミドリヒョウモンとばかり思っていた蝶の模様が少し違うのに気づきました。
性標が薄いです。裏を見比べてみると、明らかに別種です。
これはメスグロヒョウモンのオスでした。
ミドリヒョウモンと並べて表翅・裏翅を一枚に合成してみました。
ろくに調べもせずに、今まで ず~~~っと思い違いをしていたのです。
メスグロヒョウモンの雄は未見のつもりでした。(;^_^A
最も古いキアゲハ♂♀は昭和32年5月下旬の採集です。左が♀ 右が♂
下校時にアザミの花でカップリング中を、野球帽子で採集した事を鮮明に覚えています。
アオスジアゲハの突然変異 昭和34年9月下旬に大根畑で採集しました。
数年後、標本箱の手入れしていて、誤って片方の翅が取れてしまいました。
高知まで行って特殊な接着剤を購入し、2日間かけて修復しました。
はからずも、後翅内縁が拡がって♂の特徴である長毛が見えます。
この蝶もカツオブシムシらしき幼虫が、胴体を食っていました。
経年変化で色も褪せていますし、少しの振動で触角や足が折れて外れます。
標本での保管はどうやら限界のようです。
画像にして残すのみです。
最終的にこの一箱と一緒に写真や、古い品々を出品しました。
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《めった》 困った。参った。 滅る(古語)の完了体。 "滅入った" の意に近い
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